本校は 目の不自由な乳幼児から成人の方のための学校です。
- 目の不自由な児童生徒に、小学校・中学校・高等学校に準ずる教育を行います。
- 見えにくさを改善し克服するために、必要な知識・技能の習得を目指しています。
- 一人一人の自立を図り、健康で心豊かな人間の育成を目指しています。
1.教育目標
視覚障害をもつ児童生徒に、小学校・中学校・高等学校に準ずる教育を行い、併せて視覚障害の状態を改善し克服するために必要な知識、技能を習得し、社会参加に向けて自立できる人間を育成する。このために、次の「めざす児童生徒像」の実現を目標とする。
- 心身ともに健康な児童生徒
調和のとれた人間性をめざし、社会の一員として自立的・積極的に生きる。
- 明るく思いやりのある児童生徒
互いに助け合い、明朗でたくましく生きる。
- 何事にも意欲的に取り組む児童生徒
何事にも全力で取り組み、高い専門性を身につけ、社会に貢献する。
2.教育方針
「理解、和、協調、創造」を学校運営の基本精神とし、明るく楽しい規律ある学校の実現をめざし、地域との連携、開かれた学校づくりを推進する。そのため教職員は、視覚障害教育の専門性の向上に努め、児童生徒とのふれ合いを重視し、次の事項について充実を図る。
- 児童生徒の自立的・創造的活動を尊重し、自らを表現する力を育む。
- 児童生徒が豊かな人間性と広い視野をもつための資質を育む。
- 児童生徒が様々な困難を克服し、社会参加に向けて自立する力を育む。
3.児童生徒数
平成21年5月1日現在の児童生徒数は次のとおり。
- 小学部計
男1人・女1人の合計2人
- 中学部計
男1人・女0人の合計1人
- 高等部計
男15人・女5人の合計20人
- 総計
男17人・女6人の合計23人
4.教育課程
教育課程編成上の基準は次のとおり。
- 本校の教育課程は学習指導要領に基づいて編成するものとする。
- 小学部の1単位時間は45分とし,中学部・高等部は50分とする。
- 年間の授業日数は35週を下まわらないものとする。
5.学部経営概要
<小中学部>
(1)学部経営の目標
- 健康で、元気な児童の育成
- 周囲とのかかわりを喜び、明るく楽しく生活できる児童生徒の育成
- すすんで学習に取り組み、最期までがんばる児童生徒の育成
(2)指導の重点
◎ 「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」を活用した、継続的かつ組織的な教育内容・方法の工夫と改善
- 家庭や寄宿舎tの密接な連携による基本的生活習慣・生活リズムの確立
- 健康・安全面への配慮と基礎体力向上のための指導の充実
- 学部集会や合同授業の設定・活用による小集団活動の活性化
- 他校・地域との交流や校外学習の実施による生活経験の拡充
- 発達の段階に応じ、ねらいを明確にした、「分かる」授業作りの実践
- 医療・福祉等関係機関との連携強化による日々の実践活動の充実
<高等部>
(1)学部経営の目標
- 社会自立に向け、心身の健康の保持増進をめざす生徒の育成
- 自ら学ぶ意欲と、目標に向かって自主的・創造的に活動する生徒の育成
- 社会に貢献できる理療師として、高い専門性と豊かな人間性の育成
(2)重点事項
- 基礎学力の定着と向上
- 社会自立に向け、生徒一人一人の課題に応じた支援
- 進路学習会、校内・現場実習、職場実習・職場体験等を通じ、社会人としての正しい職業観の育成
- あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師としての基本的な知識、技術、態度の育成
6.部活動
部活動の主なものは次のとおり。
- グランドソフトボール
- サウンドテーブルテニス
- フロアバレーボール
- 柔道
- 音楽
- 文化
7.寄宿舎
「愛友寮」は、通学困難な児童生徒や生活訓練のために設けており、本校の児童生徒は誰でも入舎できます。入舎後は、舎監と寄宿舎指導員が支援します。一人一室を利用し「自立」に向けて必要な知識・技能の習得を目指しています。平成21年度は、13歳~56歳まで17名の舎生が生活しています。
寄宿舎生活では、決まりを守りながら、お互いが快適に生活できるように行事や当番活動など、自治会を中心とした活動を大事にしています。もちろん勉強も互いに刺激し合い、励まし合いながら欠かさず行っています。
8.臨床実習室
臨床実習室では、授業の一環としてあん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅうの技術の向上と、人間性を高めることを目的に実習を行っています。
治療を希望される方は、電話で予約をしてください
<施術日と時間>
毎週月曜日から金曜日の午前9:50~12:40
祝日・長期休業期間、学校行事のある日を除きます。
治療を希望する方は、電話で予約をしてください。
<実習生>
本科保健理療科3年生および専攻科理療科2・3年
<料金>
治療は有料となります。
※詳細は電話にてお問い合わせください。
秋田県立盲学校 臨床実習室係まで
電話 018-846-2540
バス利用の場合
- 秋田駅より
新国道経由土崎方面行きに乗って、30分程度で「自衛隊入り口」バス停に着きます。ここから、徒歩2分で着きます。
将軍野線では「中央高校前」で下車します。ここから、徒歩1分程度で着きます。
- 土崎駅より
新国道経由秋田駅行きに乗って、10分程度で「自衛隊入り口」バス停に着きます。ここから、徒歩3分で着きます。
1 よくある質問から
- Q どういう学校ですか?
・・・・・・・・・・・・A
視覚障害の特別支援学校です。目が見えない・見えにくい児童生徒に対し、小中学校・高等学校に準じた教育、及び職業教育(あんま・マッサージ・指圧,はり,きゅう)を行う学校です。障害を克服するための指導(自立活動)も行っています。 先天的に障害のある人や、後天性の病気で仕事を辞めて入学した人などが学んでいます。
- Q 入学の条件は?
・・・・・・・・・・・・A
「両眼の矯正視力がおおむね0.3未満の方」、「視力以外の視機能に高度の障害がある方で、拡大鏡等の使用によっても通常の文字、図形等の視覚による認識が不可能又は著しく困難な程度の方」となっています。詳しくは視覚障害支援部まで、お問い合わせください。
- Q 高等部の募集は?
・・・・・・・・・・・・A
入学願書の郵送による請求は、12月上旬から受け付ける予定です。詳しくは、担当(教頭)までお問い合わせください。
- Q 入学後の経費は?
・・・・・・・・・・・・A
各学部とも授業料は徴収しません。就学奨励費(国や県からの補助)として、次の費用が世帯の所得に応じて、段階別に支給されます。
・教科書購入費・交通費(通学・帰省)・給食費
・寄宿舎経費(食費・日用品費 等)
- Q 卒業後の進路はどうなっていますか?
・・・・・・・・・・・・A
普通科の卒業生は、進学、一般就労、授産施設への入所があります。保健理療科や専攻科理療科の卒業生は、病院や老人保健施設勤務、また開業といった状況です。
- Q 普通学校と違う独自の授業はあるのですか?
・・・・・・・・・・・・A
一般の学校にない学習として、「自立活動」があります。「自立活動」では、一人一人の障害の状態に応じて、その障害に基づくいろいろな困難を改善するために、歩行や点字、パソコンなど、様々な活動を行っています。そのほか、高等部保健理療科では、あん摩マッサージ指圧師の資格を取るための勉強、高等部専攻科理療科では、あん摩マッサージ指圧師の他、鍼師(はりし)、灸師(きゅうし)の資格を取るための勉強をしています。
- Q どんな教科書を使っているのですか?
・・・・・・・・・・・・A
「みなさんが使っているものと同じ教科書」「文字や図を拡大した教科書」「点字教科書」の3種類です。また、教科書の内容を録音したものを活用している人もいます。ただし、見た目は違っても、内容はどれも同じです。視覚障害に合わせて、分かりやすいように表現などを直している部分もあります。
- Q スポーツはどうやってやっているのですか?
・・・・・・・・・・・・A
球技では、グランドソフトボール、フロアバレーボール、サウンドテーブルテニスなどがあります。いずれも、ボールを転がして、その音を聞いて行うソフトボール、バレーボール、卓球です。以前は、盲人野球、盲人バレー、盲人卓球と呼ばれていましたが、現在は、アイマスクを付ければ、目の不自由な人もそうでない人も一緒にできるスポーツということで、名称が変わっています。その他にも、陸上競技、柔道、水泳、サッカー、バスケットと、視覚障害があってもできるスポーツはたくさんあります。
- Q 給食はどのようにして食べていますか?
・・・・・・・・・・・・A
みなさんと同じように箸やスプーンなどを使って食事しています。一緒に食事をする時には、時計の針の位置を教えるように、「○時の位置に○○があります」など、どこに何があるのかを教えてもらえると助かります。
- Q 点字の歴史を教えてください。
・・・・・・・・・・・・A
6つの点を組み合わせて文字を表す点字は、1824年にフランスの盲学校の生徒だったルイ・ブライユによって作られました。日本の点字は、ブライユの点字を基にして、1890年に東京盲亜学校の教師・石川倉次によって作られました。これが日本の点字として認められた日である11月1日が、日本の点字制定記念日になっています。
- Q 世界にはどんな点字がありますか?
・・・・・・・・・・・・A
ブライユ式の点字が、すぐにそのまま世界中に広まったわけではありません。いろいろな国で、いろいろな点字が試みられました。しかし、現在は、多くの国で、ブライユ式の6点点字が使われています。日本では、点字で漢字を表す方法が2種類ありますが、その一つである「漢点字」では、8つの点を使います。
- Q 点字はどうやって打つのですか?
・・・・・・・・・・・・A
点字を打つ道具は、大きく3つに分けられます。一つは、点字盤。定規と呼ばれる金具に挟んだ点字用紙に、点筆と呼ばれる道具を使って点を打ちます。次に、点字タイプライター。そして、パソコンです。パソコンでは、直接点字の文章も入力できますし、ワープロソフトなどで打った普通文字のデータを点字に変換するソフトもあります。
- Q 目の見えない人たちは、どのようにして道を歩いているのですか?
・・・・・・・・・・・・A
道路交通法では、視覚障害のある人は、白か黄色の杖(一般に白い杖=白杖・はくじょう)を持つか、盲導犬を連れて歩くことになっています。白杖には、①視覚障害者が歩いていますよ、というサインの役割。②視覚障害者の一歩前の道の状況を知るための目の役割。③壁などに体がぶつからないためのバンパーの役割。の3つの役割があります。
- Q 点字ブロックには「進め」と「止まれ」しかないのですか?
・・・・・・・・・・・・A
点字ブロックには2種類あります。線が3~4本浮き出ているものを「誘導ブロック」と言って、進行方向を示します。丸い点々が浮き出ているものは「警告ブロック」と言って、注意を促します。交差点や曲がり角、階段の前後などにあるのが警告ブロックです。
- Q 歩いていて苦労することは何ですか?
・・・・・・・・・・・・A
点字ブロックの上に自転車や物が載っていると、とても歩きづらいです。また、点字ブロックの上で立ち止まっておしゃべりをしている人がいると、ぶつかったりよけてもらったりしなければならないので、お互いに申し訳ない気持ちになります。
- Q 盲導犬と接する時の心構えを教えてください。
・・・・・・・・・・・・A
盲導犬は、あくまでも犬です。犬が喜ぶようなことをされると集中力がなくなり、盲導犬としての仕事がスムーズにできなくなることがあります。ですから、口笛を吹いて呼んだり、体に触ったり、食べ物を与えたりされては困ります。
- Q ユーザーはどんなことをして盲導犬をもらうのですか?
・・・・・・・・・・・・A
盲導犬はもらえません。各育成団体から貸与されている(借りている)だけです。
- Q 目の不自由な人に接する時、どんなことに気をつけたらいいですか?
・・・・・・・・・・・・A
みなさんが、友達や周囲の人と接する時のように、自然に接してください。ただ、「ここ、そこ、あそこ」といった表現では、どこなのか分かりませんので、「こそあど言葉」は、なるべく使わずに、「最初の音声付き信号の交差点を右へ」「前へ3歩くらい出たところ」など、具体的な話し方を心がけてください。
- Q 目の不自由な人に接する時、どんな気持ちで接したらいいですか?
・・・・・・・・・・・・A
目が不自由でも、普通に生活しています。かわいそうだと思ったり、「何かしてあげなくてはいけない」という義務感を持ったりしなくても大丈夫。自然に接してください。
これで回答集は終わりです。
この他に知りたいことがある場合は、秋田県立盲学校視覚障害支援部に気軽にお問い合わせください。